コーティングについてのページ
このページでは最近流行のコーティング剤の説明や、意外と知られていないコーティング剤の実情をお話しするページです。


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ガラス系コーティングの種類 早速下の内容をご覧ください。↓
膜の硬さについて 商品によってはガラスと同じ硬さの膜が形成
されるって本当?
水の弾き方について ガラス系コーティング剤の水の弾き方は
水玉でないって本当?
販売に際して問題にすべき事 売れれば何でもありも販売方法はいかがなものか。
また、それを鵜呑みにするのも‥
このタイプのまとめ 2種類のガラス系コーティング剤の総括

説明の前に一言
ガラス系コーティング剤は「すごい高性能」「すごい耐久性」などと思ってはいけません。
各店、色々な謳い文句を並べていますが、そんな上手い話あるわけありません。
ものすごい説明やトリック画像は冷静に見たり考えて判断していただきたいと切に思います。



ガラス系といわれるものには大きく分けて2種類あります。

ガラス繊維タイプ  
このタイプのキーワード  珪素(ケイ素) ・ ハイブリッド ・ セルロース繊維 ・ 分離

ガラス系の中ではごく一般的なタイプ。
いわゆるガラス皮膜は形成しません。 あくまでもガラス繊維です。
当店の該当商品

↑ガラス系スプレー
コーティング剤

↑ガラス系コーティング&メンテナンス剤2

ガラス系の材料とフッ素などを組み合わせたハイブリッドタイプのものもあり、これを純粋なガラス系コーティング剤と呼ぶには無理があります。
ただ、ネットなどではこのタイプを「本物の‥」と説明しているものもあり、知らない人は信じてしまうでしょう。

いわゆるガラス系のコーティング剤はこのタイプから始まったといえ、とても数多くの種類が出ています。
しかし、基本的な原料の出所はほとんど同じで、ラベル(ネーミング)が違うけど中身は一緒というケースが多々あります。
商品の数と同じだけの製造メーカーはありません。
そんなにたくさんの製造メーカーは実際のところないのです。

このタイプは次々に新製品が開発され、最短では半年で旧製品になる場合もあり、オークションなどでは旧タイプも混在しているケースが多々あります。 
だからあんなに種類が多いのです。
しかし、販売しているところはもちろん旧製品ということは絶対に触れていません。
また、新製品であるかのような説明も見受けられます。

さらに「5年の耐久性」、「他のガラスコーティングより高耐久」など、怪しい説明が満載です。
前途したように、このタイプはどんどん新製品が出ていますし、初期タイプが出始めたのもわずか数年前です。
たとえ初期タイプを耐久テストしたにしても5年は経っていません。
いわゆる理論上ということだったり、そのメーカーの現実離れした実験結果だったり、からくりがあったり、少なくとも現実では「ありえない」数値です。

また、前途したようにネットでこのタイプは新旧入り混じっていますが、前もヴァージョンは従来の出来の良いフッ素系のコーティング剤より劣る場合があります。
もちろんちゃんとした商品もありますが、すごい内容を羅列している商品はまずは疑ってかかる事が必要だと思います。
疑問に思ったらどんどん出品者・お店に質問しましょう。

このタイプには液に大きな特徴があります。 塗りこみタイプは使用前の状態は2液または3液に分離しています。
また、例外もありますが当店の商品のようにスプレータイプもほとんどこの種類です。


ガラス皮膜タイプ
このタイプのキーワード  無機質 ・ シリカ ・ SiO2 ・ 石英 ・ 硬化

価格的にも性能的にもガラス繊維タイプより上のものといえると思います。(ただしすべていとうわけではありません。 その説明はページ下で‥)
当店の該当商品

↑G-FilmCoat
メンテナンスはガラス皮膜タイプの
G-FilmCoat専用メンテナンス剤

このタイプを販売しているところでは「純粋なガラス皮膜」とか「本物のガラス」などの説明がありますが、少し大げさな説明です。
また、商品によっては、その商品の硬化した塊を画像として載せて「このようにガラスになります」みたいな説明をしているところもありますが、実は商品によってはガラス繊維タイプでもそのようになります。
塊はガラスのようなものという事であり、イメージしやすいようにという事で載せていると思いますが、そのようになるからガラス皮膜なんだということではありません。
固まった塊はちょうどガラスが割れたような鋭利な形をしていますが、強く握っても簡単に手は切れません。(人体実験済み(笑))
本物のガラスなら‥ 流血しています。

みなさんはガラスはどのようにできるのか詳しくは知らなくても大体わかると思います。
ちょっと考えればわかりますが、塗っただけでガラス製品と同じようなものができる訳ありません。
かなり歩み寄っても(かなりです)話半分といったところです。

ではどのような原理なのかというと、実はこのタイプのコーティング剤は皮膜形成のプロセスが商品よって異なります。 そのプロセスは色々なパターンがあり、そしてかなり複雑で、正直言って当店でもきっちり理解できないほどです(笑)
ですので簡単な説明になってしまいますが、外的なモノ(空気、水分、商品によっては他の要素もあり)との反応により膜が硬化して、ガラスの一種の膜が形成されるという事です。
ただ、ガラス製品のガラスと違うといえ、純粋なガラス状の皮膜が形成されるので、ガラス繊維タイプより本物の「ガラス系コーティング」といえると思います。

ただ、従来このタイプは常温でガラス皮膜を形成するのはかなり難しく、欠点が多くありました。
@作業性に難がある A施工の仕方が悪いと本来の性能は発揮しない B液の寿命が長くなかったり、保管方法に制約がある C施工直後の保管が悪いと初期トラブルがでやすい   などです。
これでは一般の方にはとても販売は出来ませんし、プロが使うにしても有り難い製品とはいえませんでした。
そこで取り扱いが簡単でコストも安い、一応ガラス系の特徴が得られるガラス繊維のタイプがガラス系コーティング剤の主流となっていました。
しかし、このタイプの方がガラス繊維系のものより優れているのは事実で、年々欠点を減らし、コストも下げ、完成度が上がってきました。

そして最近ではガラス系コーティング剤の特徴である「硬い皮膜が出来る」、「劣化しにくい膜」、「汚れに強い」という本物のコーティング剤が、一般の方でも使用できる作業性のレベルにまでなって出てきました。




商品によってはガラスと同じ硬さの膜が形成されるって本当?
「コーティング膜がガラスの硬度(9H以上)と同じ硬さを形成する」などの説明をしてあるものがありますが、残念ながら違います。
コーティング膜の硬さはコーティング膜や塗装の膜の硬さを測る測定器にかけて測ります。
コーティングの場合ガラス板に塗って測ることが多いのですが、実際は測定できるだけの膜がなく、簡単に削れてしまうので、実は下のガラス板を測定している事がほとんどなのです。

このような説明をしている商品はほとんどガラス繊維のタイプですが、ガラス系の原料以外にフッ素を混ぜているのにガラスと同程度の皮膜ができるという事自体おかしな話です。
また、いくつもの商品がこのような説明をしていることが多く、すべてとはいいませんが製造元がほとんど同じと考えられます。(または「あそこが説明しているからウチも」という便乗犯?)

このような測定が出来るのは、本当に硬い皮膜が形成されるガラス皮膜タイプのコーティング剤だけで、ちなみに当商品のG-FilmCoatの硬度は8Hです。




ガラス系はコーティング剤の水の弾き方は水玉でないって本当?
残念ながらこれも違います。
商品によっては「水玉にならず、ベタッとした水弾きになるからこのガラス系コーティング剤は本物だ」とか「水玉になるものはニセモノだ」というようなニュアンスの説明をしているところがあります。
確かに、ガラス系の多くはベタッとした水弾きになるものが多いのは事実です。
しかし、本物のガラス系コーティング剤でも丸い水玉になるものもあります。
どちらにも長所と短所もあり、必ず一方が優れているというわけでもありません。

ただ、ユーザーの心情から言って丸く水を弾いている方が気持ちが良い思う方は多いようです。
初期のガラス系コーティング剤はほとんどベタッとした水弾きでしたが、最近ではこのタイプでも丸く水を弾くタイプがあります。(ただし細かい水玉です)
ですので、コーティング剤によっては水の弾き方も選べるようにになってきています。

これは当方の推測ですが、「丸い水玉を弾くタイプは本物でない」という説明は、ガラス皮膜タイプのコーティング剤を販売している人が、ガラス繊維タイプの事を指して言っているのだと思います。
ガラス繊維はハイブリッドタイプ(他にも色々混ぜている)ですので、水の弾き方が水玉になるものもあります。
しかし、前途のように、ガラス皮膜タイプの新製品には丸い水を弾くタイプも販売されましたので、一概にそのような事は言えなくなっているというのが最新の実情です。

しかし、ガラス繊維タイプでそのような説明をしていたら問題です。
そして、細かいニュアンスの違いですが、水弾きで良いのは「細かい水玉」で、ワックスのような水玉はあまり好ましくありません。



販売(購入)に際しての問題点
当店の該当商品

ガラス皮膜タイプ


ガラス繊維タイプ1


ガラス繊維タイプ2

当店の経験からガラス系コーティング剤は確かに従来のフッ素系より耐久性は上のように感じます。
しかし、だからといって1度施工しただけで3年も5年も持ちません。
新製品でその様な事を謳っている業者もあり、前記して説明が重複しますが、では「発売より3〜5年前から耐久テストをしたのか?」といえばまったくそんな事はなく、理論上の話で、その理論すら根拠がないものです。
ガラス系コーティング剤は本当に数多く販売されているので少しでも差別化を測ろうという気持ちはわからなくもありませんが、ウソはいけません。
また、一度ユーザーが施工して結果が出るのに早くても数ヶ月掛かります。
数ヶ月経ってから「たいして持たなかった」とクレームを言う人はあまりいないようですし、その様なケースがあっても「施工の仕方が悪い」で言い逃れするケースもあるようです。

ユーザーには厳しい言葉かもしれませんが、3年も5年も持つようなコーティング剤がわずか数千円で入手でき、ユーザーの施工レベルで出来てしまうこと自体ありえない話なのです。

当店のコーティング剤はいかがわしいコーティング剤よりかなりまともな物ですが、それでも「3年も5年も持つ」などとは絶対に言いません。
その様なコーティングをするには少々大掛かりな設備が必要で、知識と手間がかかります。
また、「クレームは一切言わないからそのコーティング剤を販売してくれ」とユーザーが言ったとしても(言われても販売はしませんが)とても数千円では販売できない価格です。
そして、そのようなコーティングをしたとしても定期的なメンテナンスは必要です。

もちろん、販売されているコーティング剤を施工した場合はもっとメンテナンスは必要です。
ガラス系は特に特性に合ったメンテナンス剤を使用しないとコーティング剤の性能が半減するだけでなく、ガラス系の特徴の1つである「汚れにくい」はずが、従来と大して変わらない結果になったりします。
しかし、残念な事にコーティング剤は販売していてもメンテナンス剤は1つもないという「売りっぱなし」なところがほとんどです。
メンテナンスフリー(売っていない)、「一度の施工で数年持つ」という説明書きを見ると、ガッカリします。
フッ素系のコーティング剤が主流だった頃、似たようなうそつき合戦が繰り広げられたり、売ったらそれっきりというお店が多かったため、一般の方から「プロ用でも大して持たない」というレッテルをフッ素系のコーティング剤は貼られ、ガラス系コーティング剤でもまた繰り返されてしまうのでは‥ と思うからです。
コーティング剤には何も罪はないのです。

ガラス系コーティング剤は従来品より何倍も持つわけではなく、また、下地処理は従来品よりシビアです。
下地処理がいい加減だと、下手したら従来品より持たない場合だってあるのです。




ガラス繊維タイプ・ガラス皮膜タイプの今後
これはあくまでも当方の独断だという事を前置きします。
ガラス繊維タイプは組み合わせるものによって新たな可能性が出てくると思いますので、今後も残っていくと思われます。
ただ、現時点でコーティング膜の性能だけを比較するとガラス系には劣ると思います。
また、あまりうまい施工をしなかったガラス皮膜タイプより、正しい施工をしたガラス繊維タイプの方が結果は良好という場合もあります。

これからは、どちらかというと低価格の道を歩むのではないでしょうか?
そしてもう一つの道は、スプレータイプなどのような簡易コーティングの主流になると思います。

ガラス皮膜タイプは欠点が多かったですがどんどん克服していますので、かなり今後も期待できます。
ただ、現状でもまだまだ取り扱いが難しい商品もありますが、その代わりとても高性能です。
そのような施工が難しいタイプは一般の方が施工するには向いていませんが、プロ用として今後も使われていくと思いますので、そういったタイプを業者で施工してもらえば良質なガラスコーティングが可能だと思います。
その一方、扱いやすいガラス皮膜タイプも徐々に開発されていくと思いますので、多少ガラス繊維タイプより価格が高くても、それに見合った性能を発揮すると思います。




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