ちょっと進んだ磨き方
前のページで触れていますが、当店では一般の方の磨きは超微粒子のコンパウンドで手磨きする事をおすすめしています。 ですので、以下の内容は「手磨き」される事を前提の内容となっています。 また、この方法は磨きだけでなく、ワックスやコーティング剤の塗りこみ・拭き取りにも使えます。 |
ついに完全決着!? タテ、ヨコ、タテの謎 カー雑誌などを見ていると、洗車時のスポンジの動き、ワックス掛けのスポンジの動きなどの理想的な動かし方に「タテ、ヨコと動かして、最後にタテで終わる方法が理想的だ」という記事を何度も見かけたと思います。 その理由はどの記事も大体同じですが、それでも微妙に内容が違ったりして、なんとなく納得がいかない経験はありませんか? その疑問、このページで決着をつけます。 この方法を世間に広めたのは、一般的に「洗車名人」「洗車の鉄人」「洗車おやじ」などといわれているモービルクリーンベースの高木さんです。 じつは私はこの高木さんのもとで修行していたので、この施工法はイヤというほど教わりましたが、高木さん自身、雑誌ではある程度のことまでしか述べていませんし、この記事を読んだほかの雑誌社が、記事を真似て書いたりして、少しづつ解釈が違ってきました。 さらに言えば、実践することによって高木さんが述べていないメリットもわかってきたので、ここでまとめて発表したいと思います。 タテで始まりヨコ、最後にタテの順序ですが、最初の タテは何に対してタテなのかというと、車の進行方向に対してです。 そうすると、最後も進行方向で終わります。 ムラなく施工ができるというメリットもありますが、この 方法の一番の目的は、「キズや汚れに強くなる」という ことが最大の目的です。 特に、ワックスがけにこの方法を長期続ければ、完全に進行方向に対して、流れができます。 それならば、「タテ方向だけでもいいのではないか」とお考えになる方もいらっしゃると思いますが、ワックスがけの場合、一方向だけではムラなく塗りこむことができません。 洗車の場合も汚れを落とす時などに経験があると思いますが、一方向だけでは落ちにくいものです。 しかし、目に見えるようなスジが付くわけでもないし、「キズや汚れに強くなる」というような効果が本当にあるのかと思ってしまうのも無理はありません。 実際、目に見えないわけですから… まず、結論から先に言うと、効果があります。 目には見えませんが、ミクロレベルで確実にスジがついています。 これは、実験などでも証明されています。 もうかなり前ですが、 NHKで放送した洗車の番組で、 (A) 上記のような方法でワックスがけをした車 (B) 従来どおり円を描くようにしてワックスを塗りこんだ車 (C) 最後に進行方向に対してヨコで終わるようにしてワックスを塗りこんだ車 各車に水をかけて排水性を実験した結果、ボディの水の流れが良かったものから並べていくと(A)→(B)→(C)の順になりました。 この実験は、車が止まっている状態ですが、車が走り出せば進行方向にスジがついている(A)はもっと良い結果を発揮したでしょう。 水が流れやすいようであれば汚れがつきにくくなりますし、汚れがつかなければ洗車やワックスがけの時にキズを入れる確立も減ってきます。 結論として「キズや汚れに強くなる」ということになります。 このような手入れを毎回していれば、スジというか、良い意味でのクセがつくのでどんどん好ましい方向に向かっていくことになります。 洗車ワックスがけに凝っている方は、実践してみてください。 ただ、この方法が適さない場合もあります。 それは、当ホームページで販売しているザイモールのワックスの場合です。 ザイモールの製品は天然のロウを他の製品より多く配合しているため、他の製品に比べ作業性があまりよくありません。 ですので、1スパンをタテ、ヨコ、タテとワックス掛けするのも他の製品より時間がかかり、塗りこみに時間がかかれば拭き取りの時間が遅くなり、余計に拭き取りも重くなります。 ザイモールのワックスの場合は、進行方向のみにワックス掛けして、すぐに拭き取るというやり方をお奨めします。 または、タテ、ヨコ、タテを小面積ずつで作業すれば大丈夫です。 時間はかかるかも知れませんが。 タテ、ヨコ、タテのメリット、その2 ここからは、雑誌などでも載っていないこの手入れ方のメリットを述べます。 経験があると思いますが、気をつけて愛車の手入れをしていても知らないうちにキズが入っていることがよくあります。 キズの原因のほとんどは洗車やワックスがけの時に付けてしまうものです。 キズのもととなるのは汚れや砂です。 お手入れする時はボディをスポンジや、ネルなどで撫でます。 この時に、汚れなどを引きずったり、お手入れの最中に、いつのまにか舞ってくる砂などを知らず知らずのうちに引きずっているのです。 砂などは気が付かないことがほとんどなので、完全に防ぐことは不可能です。 それでも風のない日にお手入れをするとか、風が入り込まない場所で手入れすればかなり防ぐことはできます。 しかし、このような状況や作業場で作業できないことがほとんどだというのが現状ではないでしょうか? ところで、あなたはキズを発見した時、どのようなキズが入っていますか? ショッピングセンターなどの駐車場の水銀灯の下で、または薄曇りのお日様の下で、(薄曇りは特にキズが目立つ状況です)自分の車だけでなく、他人の車を見たとき、「この車キズが多いなぁ」と思ったことはありませんか? そのほとんどが渦巻状のキズだと思います。 そうです。渦巻状のキズは、一番目立ちやすいのです。 見る位置が変われば、その都度光の当たり方や方向が変わります。 渦巻き状(円)にキズが入っていると、どの確度からみても、キズが見えてしまうのです。 これが、おすすめしているお手入れ方法だと、基本的にタテとヨコにしかキズが入りませんから、「ある角度からは見えるが、角度を変えると目立たない」ということになります。 前の章でも説明しましたが、このようなお手入れをすることにより、良い意味でのクセがついているので、排水性もよく、キズの原因の一つでもある汚れがつきにくくなるのです。 これにより、キズをつける確率も低くなるということにもなります。 変な言い方かもしれませんが、防ぐことができないキズは上手にキズを入れましょう。 消極的な方法だと思われますが、現実的にキズは入るわけですから、上手に付き合うべきです。 それでは、円を描くような手入れ方法はダメなのか? 決してそのようなことはありません。 多分、ワックス掛けをたまにしかしない人はほとんど この動きでしょう… 知識も浅いので、自然に手が動くパターンがこの動きだと思います。 前記した、タテ、ヨコ、タテを実践している人でも、意識していないと、知らず知らずのうちにこのような動きになるはずです。 なぜなら、この動きが人は一番自然な動きだからです。 無意識に動くというのは、一番自然な動きです。 この動きは、比較的均一の力で作業できますし、力の 強弱もつけやすいです。 しかし、、タテ、ヨコ、タテで作業した場合よりキズが入った場合は目立ちやすいですし、水の流れや汚れにくさなどでは劣ります。 そこで、当店がおすすめするのは、この動きのメリットを生かす場合に活用してみてはどうか、ということです。 大きく分けると2つに分かれます。 まず1つ目ですが、先ほども書いたように、この動きは力の強弱がつけやすいです。 ということは、力が入れやすいということでもあります。 そこで、手入れの時に多少力を必要とする時に使うのです。 それは、汚れ落しです。 ボディの水あか落しをするときや、部分的にこびりついた汚れを落とす時、または部分的なキズ落し(ボディ全体の時はタテ、ヨコ、タテの方が適している)などです。 あと、クリーナー成分が多く入っている半ネリのワックスがけの時も良いでしょう。 そして2つ目はこの動きを極めることです。 描く円の大きさを変えたり、力の入れかたを調節することにより、とてもよい仕上がりが望めます。 何十年もきれいに車の手入れをきれいにしているベテランは、この動きを極めているといえます。 タテ、ヨコ、タテなどという手入れ方法が生まれていない頃からこの方法できれいに仕上げてきたのです。 極めれば理論も超えるといったところでしょうか? 円を描くやり方は、「もう古い」とか間違っているみたいなことをいうプロがいますが、上記のような考えで実行するのでしたらまったく問題はありません。 それよりも注意点は、このようなテクニック的な事でなく「日なたで作業しない」「風のない日に作業するか、風が舞い込んでこないところで作業する」と言うような環境が第一です。 |
洗車・磨きTOP |
・・・・ | シミ・付着物のページ |