ツキ板の説明
ツキ板の説明の前に、一般の方の一般的な仕上げについて触れたいと思います。 木製品の仕上げとして一般的なものと言えば、なにもせずにニスなどで仕上げる・塩ビの木目調シート・プリント合板、そして凝っている人でツキ板貼りの合板といったところでしょうか。 しかし、どれも既製品のようなレベルにはなかなか達しません。
ツキ板貼り合板は、本物のツキ板の分類にはならないでしょう。 こういったものでは、既成品並みの仕上がりにするにはかなり無理があります。 そういう時にこそツキ板の出番なのですが‥ 「ツキ板」をまだまだ知らない人が多いようですが、実は身近なものにかなり使用されています。 たとえば、家具・オーディオ製品・楽器・車や船の内装などが代表的なものです。 ただ、これらの物の多くには塩ビの木目調シートが使用されていて、ツキ板が使用されているものは中〜高級品と言えるかもしれません。 とはいっても、実はツキ板も妥協の産物なのです。 木製品の頂点は何といっても1枚ものの無垢の板です。 しかし、それではコストがかなりかかり、価格がとても高くなります。 そこで、それほど高価ではない板で品物を作り、その上に高級板材を薄くスライスしたもの(ツキ板)を貼り、無垢の高級板材で作ったように見せるということがツキ板の主な用途です。 たとえば、当店で販売しているローズウッドやウォールナットなどの無垢の木で製品を作ったら、品物によっては数十万円〜数百万円になります。 それらのものは、昭和の時代だったら庶民でも少し無理すれば手の届く価格にありましたが、最近では環境のことや価格が高騰しているため非現実的な価格になってます。 最近では妥協の産物であったツキ板貼りの製品が高級品になりつつあります。 もっとも、ツキ板を使用される方は最初から無垢の製品に興味があるわけではないと思います(ある方もいらっしゃるかもしれませんが)ので、そんなことはあまり関係のない話かもしれませんが、少なくとも仕上げようとしているものが高級感のある仕上がりになることは間違いありません。 しかし残念ながら、ツキ板は木工業社の材料であり、商品ではなく、市販品は存在しませんので、手に入れたくても手に入れられないというのが今までの現状でした。 また、木工業社が使用しているものが手に入ったとしても一般の人ではとても扱いにくく、既製品のような仕上げが簡単にできるとは言えません。 しかし、これからは違います。 一般の人でも扱いやすいようアレンジして市販化しました。 これからは、簡単で本格的なツキ板仕上げが出来ます。 以下の内容は当商品のさらに詳しい説明です。 |
なぜ従来のツキ板では、一般の方が扱いにくいのでしょうか? |
未処理のツキ板 従来品
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改良したツキ板
そこで↓このように改良しました。 |
当店が商品化した、2タイプのツキ板 従来品の欠点を無くすために、最初から接着剤の付いた2つのタイプを用意しました。 接着剤タイプ 左の写真がその映像です。 (わかりづらいかもしれませんが、画面下が表面で、画面上が、接着剤を塗った裏面です) 家具メーカーなどがツキ板を貼る方法と同じ、熱と適度な圧力で接着する方法です。 ツキ板は決して安いものとは言えません。 ちょっとしたことで、板が浮いてきたのでは高い金を出す価値はありません。 少々面倒でもこれは確実な接着方法です。 接着力の耐久性は既製品並み(安物の家具レベルとは違いますよ)のです。 施工は、アイロンで熱を加えながら、適度に圧力をかけて貼ります。 粘着剤タイプ こちらの接着剤は粘着性で、一般的なもので言えば裏紙を剥がして貼る塩ビの木目調シートと使用方法は同じですが、粘着剤の仕様はこちらも家具メーカーのものと同じですので、耐久性は塩ビの木目調シートよりずっと上です。 こちらは貼ったあとに圧力を掛けるのがベストです。 価格に関しては、どちらのタイプも塩ビのシートや、プリント合板より 高価ですが、既製品波のクオリティの高い仕上げを望まれる方でしたら納得していただけると思います。 しかし、低価格化については、がんばっていくつもりです。 高価とはいってもツキ板貼り合板より安価ですので、作業性の悪く、ほとんどプリント合板と変わらない「ツキ板貼り合板」はもう 必要ありません。 本来、「ツキ板貼り合板」は建築用の壁や床に使うもので、それをスピーカーなどの仕上げに使うというのは作業的にも音質的にも優れていないのは当然のことなのです。 |
接着剤タイプと粘着剤タイプの比較
接着剤タイプ | 粘着剤タイプ | |
接着方法 | 接着剤を熱で溶かして貼る | 裏紙を剥がして貼る |
価格 | 粘着剤タイプよりは多少安い | 接着剤タイプより少しだけ割高 |
木材に対しての 接着力 |
熱と圧力を掛けた場合、とても強力に接着する。 | 接着剤タイプより劣るもののあくまで接着剤タイプと比較しての ことです。 市販の塩ビの木目調シートよりは接着力は高いですし、実際に家具メーカーで使用されているものと同スペックですのでご安心を。 |
木材以外の 素材への 接着力 |
貼る対象は木材以外にはおすすめしていませんが、 もし他の材質へ貼るとしても、接着剤を熱で溶かして貼るため熱に弱いものには貼れない。 貼れても粘着剤タイプよりは劣る場合が多い。 |
販売する立場上、木材以外のもには高い耐久力があるといえませんが、何にでも裏紙を剥がしてすぐ貼れるので、基本的にはほとんどのものに貼れるということになる。 |
貼ったあとで ずれている ことに 気が付いたら |
接着剤が硬化していないうちは板が動くので、数mmの 修正は容易。 硬化しても小面積だったらまた過熱して接着剤をゆるくすれば修正できる。 ただ、広い面積に貼った場合の修正は容易ではありません。 |
貼ってしまうと修正は不可能に近い。 最悪の場合は剥がして新たなツキ板を貼り直し。 (剥がしたものの再接着はおすすめしません) |
最大の欠点 | 接着に熱を加えなければならないので、あまり熱を加えすぎると木が縮んでしまう場合がある。 縮んでしまうと、寸法どおり裁断した場合はサイズが足りなくなる。 |
↑上記の点が最大の欠点 接着剤タイプより慎重を要する。 |
↑の対策 | @熱を加えすぎないように作業する。 しかし、加える熱が低い場合、貼れても温度が高い 場合より接着力が落ちます。 理想は高い温度で短時間に作業を終えることです。 A数mm大きめにカットする。 |
貼るものによってケースバイケースで‥ その1 裏紙を1度に全部剥がさず、少しずつ剥がしながら 貼っていく その2 ツキ板を乗せるだけの状態で、なるべく粘着剤が 板などに触れる面積を少なくして位置決めをしてから貼る。 |
そのほかの 注意点 |
アイロンを用意したり、アイロンが使えるまで待つなど貼るまで少々手間がかかる。 やけどに注意が必要 |
@貼ったツキ板が大きかったということでペーパーで削るというのはよくあるパターンですが、もし端が浮いていたら磨きカスが入って接着力が落ちる場合がある。(ペーパー掛けしていると振動で浮いてくる場合がある) 磨きカスが粘着剤に張り付いてしまうと、ただでさえ浮いてきやすい端がさらに浮きやすくなる。 A貼る時に誤って何かについてしまって、これらのものから剥がす時にツキ板を痛めたり、剥がせなかった場合はそのツキ板が無駄になる場合もある。 貼るものの回りに余計なものを置かないようにしましょう。 |
ベストな接着 方法 |
アイロンで押さえつけながら接着すれば自動的に 圧力がかかることになるにはなりますが、できるだけ 圧力をかけてアイロン掛けしましょう。 木の種類や板の状態によっては接着剤が木にしみ こみますので圧力を掛ければとても高い密着力が 得られます。 ただアイロンを往復させる程度では不十分です。 接着剤タイプの圧力は貼る時が重要です。 貼り終えてからではほとんど意味がありません。 |
ペタペタと貼ればそれで終わりではありません。 貼ったあとはなるべく時間を掛けて圧力を加えるようにしないと、家具メーカー並みの接着力は得られません。 広い面積に貼った場合、その面を下にして、上から重いもの、できれば何十sの重しをして、できるだけ長い時間圧力をかけるのがベストです。 そこまで出来なくとも、できるだけ時間を掛けて圧力をかけましょう。 粘着剤タイプが圧力をかけるのは貼ってからが重要です。 (圧力の重要性は粘着剤タイプのほうが高いです) ちなみに、この方法を一般の塩ビのシートでも実行すれば思いのほか接着力が高まります。 面倒かもしれませんが、貼る物にシーラー処理をするのがベスト(家具メーカーはそうしています) |
どちららにも共通していることが2つあります。 いくら業務用仕様といえど‥ @貼るものの状態が良くなければ能力を発揮できません。 下地処理はとても大切です。 Aしっかりと圧力を掛けることも大切です。 家具 メーカーはプレス機に近いもので均一にしっかり圧力を掛けています。 一般の方は設備がないのでそこまでのレベルは無理 ですが、それでもできる範囲で圧力をあけたほうがいいのは言うまでもありません。 もちろんどちらのタイプもそれほど圧力を掛けなくても貼れます。 しかし、貼ったものを長く使いたいのでしたらしっかり圧力は掛けましょう。 きちんとした下地・接着方法で貼れば既製品と同じくらいの耐久性だって可能です。 |
粘着剤タイプの一番の注意・誤解される点 |
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